日中大学フェア&フォーラム in CHINA 2014

前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 次へ

日中大学フェア&フォーラム in CHINA 2014 - #08

若い世代に感銘を与えた研究への心構え
根岸英一博士が浙江大学で特別講演

日中大学フェア&フォーラムの一環として、JST総括研究主監であり2010年にノーベル化学賞を受賞した根岸栄一博士(米国パデュー大学特別教授)が浙江大学紫金港キャンパスで講演した。

3月20日に北京で開催したフォーラムから浙江大学へ移動した根岸博士を待っていたのは、林建華同大学長ら約400人の研究者、院生、学生たちだった。会場の同キャンパス大ホールは、席 がすべて埋まり立ち見も出るほどの盛況だった。


image

会場の大ホールは立ち見が出るほどの大盛況だった

根岸博士の講演は英語で行ったものだが、会場の学生たちはよく理解したようであり、質疑の時間になってから活発な質問が出された。

博士はまず、自身の研究テーマを紹介した。酸化・還元の化学的な現象とそこに介在する触媒の役割などについて分かりやすく解説した。その後で、研究に取り組む心構えとして、ABCキーワードを提唱した。 

Aは何ごとにも野心的に取り組むとするアンビシャス(Ambitious)である。Bは基礎研究を重視して取り組む態度という意味でBasic researchのBである。C は触媒(Catalyst)のCである。

AとBはよく分かるが最後のCは、根岸博士の専門分野の研究テーマから提起したものであり、酸化・還元で介在する触媒の役割の重要性を説きながら、化 学反応で介在する触媒のように世の中を明るくする触媒のような研究と活動をすることなどをアドバイスした。

またノーベル賞を受賞する確率は1000万分の1であるとするたとえ話をし、1000万という数字は10の7乗であることから、研究生活では7つの関門があるとした。たとえば中学、高校、大学、大学院、ポ スドク、助教、教授というステージを考え、そこで自分の活動する位置を確かめながら研究に取り組むことが重要であることを示唆したものだった。


image

英語で話しかけるように講演する根岸英一博士

講演の後に質疑の時間が設けられたが、学生たちの多数が挙手して根岸博士を質問攻めにした。質問の多くは、自身の研究状況を説明し、今後どのように進んだらいいかとするような個人的な進路に関する質問・相 談が多かった。

学生や若い研究者らが自分の取り組みに迷い、これからの進路にアドバイスを求めようとする雰囲気であり、会場は熱気に包まれた。

講演会が終了後、根岸博士を学生たちがわっと取り囲んでサイン攻め。質問の足りなかった学生たちがさらに質問したり博士と写真を撮りたいという若い人たちに二重三重に囲まれたが、根 岸博士はまるで自身の教え子たちに対するように穏やかな表情と対応で学生たちに接し、深い感銘を与えて講演会を終了した。


image image

(左)講演後には根岸博士を囲んでの記念撮影。ステージは学生たちであふれた
(右)根岸博士を取り囲む学生たち。博士の姿が見えなくなり、大学関係者らが「救出」に乗り出すほどだった。

前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 次へ

Science Portal China